第28回 作成した販売計画を運用していくために注意してもらいたいこと
販売計画もチェックが命
社内でどのように運用を行えばいいか
前回は、年計グラフを参考にして年間の販売計画を作成し、それを季節指数で各月に割り付けることをご提案させていただきました。
今回は、作成した販売計画を社内でどう扱うのかという、運用する上でのアドバイスをしようと思います。
チェックをする
当たり前の話ですが、計画は立てっぱなしでは意味がありません。
定期的にチェックをしていきましょう。
しかし、せっかく作成した販売計画のチェックを忘れてしまっていることもあります。
ですから、以下のことを事前にちゃんと決めておきましょう。
そして決めたからには必ずそれを守りましょう。
いつチェックするのか?例えば、第2水曜日の朝9時から
誰がチェックするのか?例えば、社長以下全社員で
それから、何のためにチェックするのか?を自分たちで理解して納得しておく必要もあります。
数字合わせのためではなく、実績と目標との差を確認し、適切に適時に手を打つためにやるんだ、ということを全員で理解して、納得しておくのです。
めちゃくちゃ大事です。
細分化をする
商品群の販売計画だけでなく、その中の重点商品について、さらに詳細な商品別の販売計画の作成はできているでしょうか?
商品“群”の売上目標達成のために、より細かく売上を分解して一つ一つの商品について販売計画を作成します。
そして、目標達成の対策を具体化していくために、得意先別、担当者別、エリア別などの細分化をしていきましょう。
率ではなく額で判断する
例えば、「当月の売上は目標に対して98%の達成度だった」としてしまうと、「もうちょっとだった、惜しかった」的な発想になってしまいます。
学校のテストと違って100点が満点ではなく、100%はわが社が生き残っていくために必要最低限の目標だったはずです。
率で表現してしまうと、そこを勘違いさせやすいんです。
また、率では具体的な対策を立てることが難しいです。
あと○○万円、とか○○個など具体的な数字を把握することで、対策は立てるものです。
率では具体的な行動計画を立てにくく、額で把握するからその必要額を達成するための具体的な行動計画や指示ができると言えます。
対策を立てる
未達の原因追及。よくやってしまいますが、そうではなく未達の解消のための対策を検討しましょう。
すべてのチェックは対策を立てるためにするものです。
単月での計画未達があった場合、累計で目標を達成するために未来に対して手を打つ必要があります。
社長自身によるお客様の定期訪問(市場の確認)ができていますか?
やはり、会社のトップがお客様(市場)に向き合い、どうしたらお客様に喜んでいただけるかを考えて考えて考え抜くことが大切な姿勢だと思います。
卸売業であれば、当社が販売した商品がお客様の店頭で売れ残っていないか?
わが社のサービスを受けているお客様がどんなことに困っているか?不安に思っているか?
常に市場を見て、商材の開発と仕入に注力していくことです。
以上が販売計画のチェックについての注意点です。計画は必ず作っていただきたいですし、せっかく作った計画はチェックしないと意味がありません。
そのチェックは社長の考える市場の要求と実際の市場の要求との違いをはっきりと示してくれます。
それに対してしっかり対策を練っていきましょう。
予算と実績のチェックについては、会計事務所が毎月お伺いする際にお手伝いすることもできます。
ぜひ毎月のイベントとして導入されることをお勧めします。