第25回 個人事業者か法人かを選択するにあたってはシミュレーションサイトを活用しましょう
個人事業者から会計事務所に寄せられる相談に
「法人化したほうがいいかどうか?」というものがあります。
拡大志向の社長様に多い質問ですが、要するに「どっちが得か」ということです。
個人事業主としてどんどん所得が大きくなっていき、
所得を基に計算する所得税・住民税、国民健康保険も大きくなっていきます。
法人組織にしたらそれらの負担が少なくなると聞いたことがある。
よし、相談してみよう。
ということだと思います。
ただ、そんなに簡単なものではありません。
法人設立とは、「法人」という人間とは全く別の人格を作ることです。
例えば、何らか契約(事務所を借りるとか、保険に加入するとかなど)をしようとするとき、社長個人ではなくその法人の名義ですることとなります。
売上はその法人に入金されることとなり、経費はその法人が支払うこととなります。
そして、社長は会社の役員としてその法人から給与をもらうということになります。
税金の話をすると、法人については収益から費用を引いた利益に対して法人税がかかります。もちろん費用には社長に対する給与も含まれます。
そして、社長個人には法人からもらった給与に所得税がかかります。
▢個人事業主
収益から必要経費を引いた利益に対して所得税、住民税、事業税がかかります。
国民年金、国民健康保険を支払う。
国民健康保険は所得金額や家族構成などによって金額が決まってきます。国民年金は定額ですね。
▢法人
利益に対して法人税、地方法人税、法人県民税、法人市民税、事業税がかかります。
社長個人には給与に対して、所得税と住民税が課税されます。
国民年金や国民健康保険の代わりに社会保険(健康保険・厚生年金)に加入します。給与の金額によって保険料が変わってきます。その保険料を会社と折半して負担することとなります。
給与の設定などによって負担額が変わってくるのです。
今はいいサイトやアプリによって無料でシミュレーションできるようになっていますので、いろいろやってみたらいいと思います。
どちらが得か、というのは一概には言えないかもしれませんが、儲けが少ないと個人事業主が得で、多くなってくると法人が得するように言われています。
ということで
法人成りに興味を持ったら確定申告書をもって、シミュレーションサイトへ!