第3回 【客数=営業力】営業やっていますか?
前々回お伝えした売上高の公式
売上高=客単価×客数×頻度
客数は営業力
頻度は人間力
をそれぞれ高めることが大切ですよということでした。
今回は
客数=営業力
客数を増やすためには営業力が必要だ、という話です。
現在の客数は
既存客数-脱落客数-スリープ客数+新規客数
と表すことができます。
ここでは、特に「新規客数」についてご提案したいと思います。
ところで、世間では景気が悪いといいますが、確かにそれはその通りかもしれません。
しかし、それと同時に思うのです。「中小企業はちゃんと営業していなくないか?」と。
それには「そんなはずはない、うちの社員たちはしっかりやってくれている」と反論があると思います。
でも、ちょっと考えてみてください。
みなさんはお客様のところへ行き、商談をしていますか?どれくらいの時間をそれに費やしていますか?
資料準備、問い合わせに対する回答、見積もりやクレーム処理など、商談ではない仕事が多くないでしょうか。
どれも大切な仕事ではあると思いますが、わが社に直接売上・粗利益をもたらす活動ではありません。
中小企業は、営業に関していえば「待ち」の姿勢になっていることが多いんです。
これを攻めの姿勢にトランスフォームしていく必要があるのだと思うのです。
ここで、ザイアンス効果というものをご紹介します。
ザイアンス効果
初めのうちは興味がなかったり、苦手だったりしたものも、何度も見たり、聞いたりすると、次第によい感情が起こるようになってくる、という効果。たとえば、よく会う人や、何度も聞いている音楽は、好きになっていく。これは、見たり聞いたりすることで作られる潜在記憶が、印象評価に誤って帰属されるという、知覚的流暢性誤帰属説(misattribution of perceptual fluency)で説明されている。また、潜在学習や概念形成といったはたらきもかかわっているとされる。
図形や、漢字、衣服、味やにおいなど、いろいろなものに対して起こる。広告の効果も、単純接触効果によるところが大きい。CMでの露出が多いほど単純接触効果が起きて、よい商品だと思ったり欲しくなったりするのである。(Wikipediaより)
ただの1回だけだとしても、素晴らしいプレゼンをするのは誰にでもできることではありません。
しかし、何度も何度も接触し続けることであれば誰にでも(するかしないかは別として)できそうではないですか?
先日、お客様の会社でお話をしていると、○○生命保険の外交員の方がアポなしで訪問してきました。
こちらは突然の来客で戸惑っていると(正直、迷惑そうな顔をしていたと思います)、「今日はあいさつに来ました」といって、保険の資料ではなく自己紹介シートを置いて帰られたのです。
ものの数十秒の出来事でした。
おそらく、今後も「近くを寄ったので顔を出しました」などといって何度も訪問して人間関係を作り、契約できればいいなと思っているのではないでしょうか。
保険のセールスレディはこのようにして何もないところから始めて契約を取っているんだ!とハッとしました。
すべての中小企業は飛び込み営業をすべきだ、ということが言いたいのではありません。
そうではなく、何度も見込み客と接触して信頼関係を築き、新規客を増やしてくことができないものでしょうか?いうことが言いたいのです。
少し意味合いは違いますが、税理士法人エイコーでも、毎月お客様の会社に月次決算書を持参して社長にお会いするようにしています。
毎月お会いして中小企業の経営者に数字をしっかり見ていただきたいという思いから始めた月次決算書の報告ですが、やっているうちに気づいたことがあります。
年に一度お会いして話をするより格段に信頼していただけている、ということです。回数を重ねることによって信頼関係が増しているのです。
当然、接触する方法は直接会う方法だけではないと思います。
SNS、DM、ブログ、電話、CM、メルマガなど様々な方法で見込み客と接触し、信頼関係を築くという観点から営業を考えてみてはいかがでしょうか。