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第10回 税理士法人エイコーの持たざる経営について説明します
2020.09.09 | 財務改善
私どもの会社には固定資産はあまり計上されていません。
それはたまたまそうなったのではなく、
経営者である私が持たざる経営をしようという意志により、
できる限りのことをしてきたからです。
今回は持たざる経営をするために私たちが心掛けていることをお伝えしたいと思います。
固定資産の代表格(?)と言えば自社ビルではないでしょうか。
まさに「自分の城」という感じで、あこがれの的かもしれません。
私たちが使用している事務所や駐車場は自社で購入したものではなく
賃借料を毎月支払って借りているものです。
ただ、内装をいじったり、必要な備品を購入することはありますので
いくらかは資産計上されているものはありますが・・・
家賃を支払っても自分のものにならないから自分で買うんだ!と
思われている方はぜひ前回のブログを見てみてください。
毎月のキャッシュフローが悪化してしまうかもしれません。
また、地方の会計事務所はみんなそうだと思うのですが社用車を持たないようにしています。
月次決算書の説明などのため自家用車でお客様を訪問し、
移動距離に応じて実費を会社が所有者に支払っています。
もし、社用車を会社で持とうとしたら車を購入しなくてはならないですし
その車を置く駐車場も必要になってきます。
そんなことは無理だという会社が多いと思いますので会計事務所は恵まれているなと感じます。
なぜ税理士法人エイコーは車両を持たないのか?
もし、税抜500万円の車を会社で使用する場合、会社で購入すれば経費で落とせますよね。
減価償却をいう手続きを取ることにはなりますが6年でほとんど全額が経費になります。
法人税率が35%だとすると175万円の法人税等が節約できます。
加えて事業者は消費税を負担しなくてもいいので消費税50万円が
仕入税額控除の対象となり、納付税額から控除される形で還付されます。
併せて225万円の節税ができます。
しかし、当社ではそれをしません。なぜか?
当社は経営計画書で「事業に関係のない高級車は購入しない」と明示しているからです。
さらに、当社では財務諸表を社員さんに対してオープンにしています。
もし、経営計画書に事業に関係のない車を持たないと書いてあるのに、
貸借対照表に車輌運搬具が計上されていたら社員さんたちはどう思うでしょうか?
「ウチの所長は言っていることとやっていることとが違うぞ、
この経営計画書は守らなくていいんだ」といった具合でしょうか?
225万円。小さい金額ではないと思います。
しかし、それをしないことにより
「節税を棒に振ってでもこの人は言ったことは守るぞ、
自分たちも経営計画書に書かれたことは守らないといけないな。」
そのように社員さんに思ってもらいたいのです。
そもそも自分の懐を傷めずに車を買ってしまうと
自分の性格上、際限がなくなってしまいそうというのも理由のひとつです。
節約した税金以上に浪費をしてしまっている人をたくさん見てきたからです。
不要資産を購入して節税・・・何か意味があるのか?ということです。
何が正解かはわかりませんが、目先の損得で動くのではなく
どんな会社にしたいか?を常に考えて判断すべきだと思います
社長の考えや行動ひとつひとつが会社を少しずつ形作っているのです。
私たちは無駄遣いをなるべくせず、会社には固定資産ではなく現金預金を
しっかり持って、つぶれない会社、身軽な会社にしたいと考えているから
そのようにしているということです。
皆さんの会社はどんなふうにしたいですか?
そして、そのためにどんなことをすべきでしょうか?