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経営コラム

第13回 決算前検討会を開催して当期の着地予測をする

2021.05.25 | 決算前検討会

「社長!納税額は○百万円です。今週中に納めておいてください!」

と言って会計事務所から納付書を渡されることはないでしょうか?

 

当社はそのようにならないために決算前検討会を実施するようにしています。

決算前検討会では、通期の損益がどのようになるのかを検討し納税額がどのようになるのかをシミュレーションします。

それによってお客様に安心していただくことが目的です。

 

いつもはお客様の会社にお伺いしているのですが、決算前検討会はお客様に数字に集中していただきたいという思いから来所していただいて開催しています。

 

損益のシミュレーションと言ってもそれほど複雑ではありません。

決算までの売上高や特別な経費、イベントなどをヒアリングして数字を予測していきます。

その時に必要なのが、固定費と変動費という考え方です。

費用を変動費と固定費に分けて考えることで、売上高(予測値)が分かればある程度の損益は予測できます。

 

損益が予測できれば納税額も予測できます。

ピタリと納税額が事前にわかるわけではありませんが、全く分からないのとは雲泥の差です。

 

法人税や消費税は決算日から2カ月以内に申告・納付することになっています。

そして、ちゃんとした数字は決算日より後にならないと計算することができません。

そのちゃんとした数字が申告期限の直前になるまで全くどうなるか分からないのであれば、中小企業の社長様にとってものすごいストレスだと思います。

 

そして、冒頭にあるようなことを言われてしまうと資金繰りが大変になってしまうのです。

そんなことにならないためにも決算日を迎える前にざっくりとした数字を予測によって計算してもいいんじゃないかという考え方です。

 

また、事前に大きな利益が見込まれているのであれば必要な経費を前倒しで使ったり、未来費用を使ったりして利益をある程度圧縮することもできますし、

赤字になりそうなのであれば、どうやって黒字にするかの検討もできます。

事後ではなく事前にシミュレーションすることが、中小企業の経営に不可欠ではないでしょうか。

 

そして、消費税に関しては赤字であっても納税額が計算されることがほとんどです。

手もとにお金があればいいですが、赤字の補填に使われてしまっています。

毎月経理をしていれば、納税額の計算が概算でできるのでその分は準備しておくこともできると思います。

 

事前にシミュレーションによって損益や納税額の予測をすること、必要であれば対策をすること、

この2つが中小企業の社長様を安心させることと思います。

ぜひやってみてください。