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経営コラム

第48回 市場占拠率を高めにいく中期事業計画を作る場合は、この点に注意しましょう

2022.11.14 | 経営計画

中期事業計画(数値編)を作成する場合に気を付けるべき点についてお伝えをします。

 

どういう計画を立てるかにもよるのですが、今回は

・取り扱う商品やサービスがこれから市場に受け入れられるものであること

資金は潤沢にあり、自己資本比率も高い

というケースです。

要するにこれからどんどんシェアを取りに行く計画を立てる場合の注意点です。

 

今回お話しするのは、未来費用人件費です。

 

中期事業計画を立てる際に、

未来費用はきちんと予算化されてますか?ということと、人件費についてちゃんと考えていますか?

ということです。

 

未来費用について

前提条件にもありますが、これから自社の商品やサービスでシェアを取りに行くということですから営業活動は必須ということになります。

どんなにいい商品やサービスでも知ってもらわないと、使ってもらわないと売上を増やして行くことは難しいからです。

そのために、交際費、リベート、広告宣伝、販促費用、展示会への出品など売上を増やすための費用が予算の中で考えられているでしょうか?

 

さらには、技術の承継のために技術やノウハウのストック、再現性を高めるための機械化、つまり投資予算も必要です。

 

今までの延長線上の経費だけではなく、以上のような今までにない未来費用が計画の中に含まれているかどうかを確認しましょう。

 

人件費について

人件費を下げる計画になっていないでしょうか?シェアを取っていく計画であれば、増員が必要です。

また、給与総額だけでなく

平均年齢は下がっているか?

一人あたり給与は上がっているか?

を見ながら計画しましょう。

売上の増加に伴って人員と給与総額が増えてはいるが、一人あたりの人件費を見てみると実は減っているとなれば、いい計画とは言えないと思います。

 

平均年齢について

10年後のわが社の平均年齢は何歳になっているでしょうか?

そのころ、社員さんたちは最新のテクノロジーやシステム、ツールについていけているでしょうか?

そのために色々すべきことがあると思います。

・若手採用のための予算はあるか?

・若手に来てもらうため、給与水準は高くなっているか?

・最新のテクノロジーに対応できるだけの研修制度は?

そういうことができていないということなので、(規模にもよりますが)平均年齢が1年に1歳ずつ増えていく会社は危機感を持った方がいいかもしれません。

 

増収減益のステージへ

以上のことを計画に織り込むと、固定費がかなり増加してしまうことと思われます。

毎年増収増益になるのが理想的かもしれませんが、シェアを取りに行く計画を立てる際には①未来費用、②人件費に予算を割く必要があることから

一時的には「増収減益」のステージに入ってしまうこともご検討ください。

 

1年だけ良ければいいというのであれば未来費用や人件費をケアする必要もないかもしれません。

ただ、私たち中小企業はこれから先もずっと社員とその家族を守り続けなければならないので、

「増収増益増賃金」となるために「増収減益増賃金」というステージを経過する必要があるのではないでしょうか?ということです。

 

中期事業計画を立てる際にはその辺りを気を付けてみてください。